エコハウス

昼の近い時間になっている。朝食、ひとりでハンバーガーを齧っていたらまるで遠い昔から齧り続けていたような気持ちになり、

これからも永遠にそれが続くのではという不安に襲われ慌てて手元のアイスティーを吸う。酸っぱくて舌が困惑していた。違和感が不安を助長させ店の狭い階段を降りフラフラと帰路に就くための電車に向かう。駅では何を勘違いしたか社会と個人の分別のつかない芸大生が口の中で蚯蚓を飼っているにもかかわらずマルボロを咥えており、

蚯蚓は燻され潰されグニャリと折り重なったかと思いきや干物のように固く黒くなった。

家では昨晩の木耳と豚肉を炒めたやつが淡い臭気を放ちながら待ち構えていて、ああ私はこれのために帰ってきたのかもしれないと勝手なこじつけをしたはいいが腹はいっぱいで、どんな食物をも受け付けないようだったが2-3時間くらい?はやく東京を離れたいなんて幻想を抱いていたところで自分が歯を固く食いしばっていることに気づき、

ああまたやってしまったと肩を落とす。無意識に生じる歯ぎしりは私の臼歯を鋭く尖らせてしまっている。

遠くからおかあさんの声が聞こえて、「もう酒は飲まないで、飲まないで」としきりに訴えている。私はじっとり臭くてベトベトした汗をかいて、

いったいそこにどんな科学が、と歯向かってはみるものの次第に不安になってきてひたすらにアルコール嗜癖をやめろ、関係嗜癖をやめろ、お前を救う者はどこにもいないのだから、手遅れになる前に、どうか、と誰にでもなく嘆くようになる。