#つまらない

YouTubeクラシック音楽の動画には時折「かわいらしい」とか「かっこいい」とか「せつない」とか形容詞が添えられているものがあるけれど、「つまらない」はないのですよね。まあそもそも「つまらない」と形容するような人は動画をクリックしないと思うけど。

最近読んだ本は情景描写が美しくって、昔のフランス映画を題材にしたミステリー小説だったんですが。映画はまた今度見るとしよう。その中で美人登場人物が「いまの願いは自分が死んだことにすら気づけないくらい一思いに背後から刺されて死ぬこと」と言った。ここがよくわからなくて、それを聞いた一人称は空気の気まずい不穏さを表現することになるんだけど、なにに対して不穏なのか。

まず思うのは死とは無関係なくらい余裕そうな美人が目の前で「死ぬこと」を望んでいること。次に「誰かに殺される」ことを望んでいること。そして「死ぬときは自分が死んだことにすら気づけないような死に方がいい」と望んでいること。この中から考えると、まず「自分が死んだことにすら気づかない死に方」は別に背後から刺されるだけではなく、突然の事故で物の下敷きになったり、VTのような不整脈で突然心臓が止まったり、色々な原因がある。

そうすると「背後から刺されるような形で」「死にたい」が残り、一人称は「いまここで誰かに殺されることを望んでいる」ことに対して当惑してるんちゃうかな、思うもうこの話終わり