踊る踊られ論争

病院で仕事を初めて2年、コロナ対応が始まって1年が経ったところでいきなり全身の痒みと湿疹が出た。最初は仕事終わって家に帰ってから、なんとなく脚を見たら赤と白のまだら模様になっていた。そして時間を置いたら小さな点々が出てきた。腕にもお腹にもあった。でも脚が特に強くて、夜も無意識に掻きむしってしまうし朝方はブツブツと隆起したものが太腿全体に広がって、それが朝日を浴びてプチプチと光ってるもんですから毎日気持ち悪い気分になっていた。一部は気持ちと連動するみたいで、仕事中に緊張したりイライラしたりすると腕がヒリヒリ痒くなって蚊に刺されのような蕁麻疹が浮き上がるようになった。唇にも、小さな水疱が大量に吹き出していた。口はマスク付けてるから隠せたし、先生に診てもらったけど感染性のヘルペスでもないらしい。夜もかゆみで眠れなくなったので皮膚科で診てもらったが、湿疹とも蕁麻疹とも毛嚢炎とも言い切れないとのこと、対症療法として強めのステロイドを塗ったけど半年は治らなかった。採血もしたけどわからなかった。年越しで病院が休診する前には医者の「ちょっと間が空くけど頑張って年越ししなね」の言葉が胸に響いた。なんというかそれだけしんどかった。原因がわからないから相応の治療を受けることもできないのである。

原因不明な故に、皮膚のバリアが弱っているのでトラブルならなんでも出る状態とのことで、仕事を辞めるか休むかしないと治らないとのことであった。たしかに、ストレスの影響が身体の変化に出ている時点で病休なりとってさっさと退職するのが自分の健康にはベストな選択だったのかもしれない。(その後もっと酷いことになったので)でもそんな簡単に決断できることだろうか?まだ働いて2年しか経ってなかったし、333円から始めた貯金もそんなに貯まってなかったし、奨学金も残ってた。そもそも職場になんて伝えたら良いのだろう?白衣のズボンをベロっと捲って「こんな脚なので働けません」とでもいえば良いのだろうか。まあ脚は酷い見た目になってたけど。そんな状況じゃなかった。自分のことを中心に考えることが悪って感じの空気だった。

結局毎日保湿剤を塗って人工的に皮膚のバリアを保つことでこれ以上湿疹を悪化させないようにする、という方向でやっていくことにした。それから2年は働いた。あれから毎日、いまでも保湿剤を塗り忘れた日はない。唇に関しては「口紅やリップつけるの禁止アズノールのみ可」って言われた。ちょっとオモロい